はじめに
GPS (GNSS) 観測において,ノイズとして解釈されるマルチパス(直接波とマイクロ波反射物による複数反射波の合成波形)を上手に利用すると,土壌水分の監視や積雪深の監視にも利用できる.反射波の強さが土壌水分量に依存するので,観測データのS/N 比を利用したり,あるいは,雪の場合,反射源の高さが変化することから,マルチパスの幾何学的変化から推測される位相シフトを利用する.同様に,湖面や海面からのマルチパスを利用などユニークな応用事例が報告されている.
他にユニークな利用法として,GPSアンテナが木や畑にあると,GPSマイクロ波がアンテナの上にある葉を通ってアンテナに届くことから,上と同様にS/N比を利用することにより,葉の茂り具合などのバイオマスの監視にもGPSが利用できることが示されている.
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