はじめに
GNSS は,地球全体をカバーするナビゲーション衛星システムで,アメリカのGPS, ロシアのGLONASS, ヨーロッパのGALILEO,などがある.
一方,RNSSは,ある領域をカバーするナビゲーション衛星システムで,日本のQZSS(みちびき)がその典型例である.
GPS以外のGNSSおよびRNSSにGPSとの互換性があれば,GPS解析ソフトウエアの僅かな改変により,それらの解析を行うことができる.観測衛星数が増えると,建造物により全GPS衛星が観測できない都市部や船やブイなどの移動体などでの測位精度の向上とともに,それにより大気遅延など他の推定パラメータの推定精度の向上が期待できる.
用語:
GNSS: Global Navigation Satellite System
RNSS: Regional Navigation Satellite System
GPS, GLONASS, GALILEO, QZSS 衛星システムの比較
上の表に,各衛星システムの衛星数,軌道傾斜角 (inclination),衛星数x軌道面数,をまとめた.GNSSにおいて,GLONASS の軌道傾斜角がGPSやGALILEOより大きくなっているが,これは高緯度にあるロシアをカバーするのに有利に働く.日本では,GPSだけだと北点に観測空白域があるのが,GLONASS を観測することにより,その空白域を狭めることができる.それにより,例えば大気遅延の推定における空間代表誤差を小さくすることができる.
上のスカイマップはある時刻のGPS衛星(黒 9個),GLONASS衛星(赤 5個)の分布例.上は北天を示すが,GLONASS が北天に集中して分布していることが示される.
|